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脳腫瘍の闘病記9:検査入院の結果編

検査入院から2週間ほど経ち、検査結果を脳外科の医師から伝えられました。

ディスプレイに撮影された頭部の3D画像を表示しながら医師が結果を説明してくれました。

「○○さんの腫瘍は特殊な形をしていることが分かりました。

ダンベルのような形をしていて、3.5㎝の腫瘍が神経の束にできており、2㎝の腫瘍が耳の蝸牛という渦巻状の器官にできています。2つの腫瘍はつながっています。

極めてめずらしい症例です。

3.5㎝の腫瘍は開頭手術で摘出する方針でしたがこれはその方針のままでよろしいですか?」

「はい」

「問題は蝸牛にできている腫瘍です。これを手術で摘出する場合には蝸牛と一緒に摘出することになりますので右の聴力を完全に失います。聴力を犠牲にして2㎝の腫瘍を摘出するか、あるいは2㎝の腫瘍は摘出せず放射線で小さくして聴力をなるべく残すことを試みるか、の選択になります。どちらを希望されますか?」

自分は少し考えましたが、やはり右聴力を完全に失うのは避けたいと思い、

「2㎝の方の腫瘍は放射線で治療してほしいです」

と回答しました。

「分かりました。ではその方針で進めましょう。オペはいつを希望されますか?」

「最先でお願いします」

脳外科の医師はPCを操作し、スケジュールを確認しました。

「最先だと1月後の△月△日になります。よろしいですか?」

「はい。そのスケジュールでお願いします」

というやり取りがありました。

手術のスケジュールと手術までの検査、診断のスケジュール(麻酔のための検査、麻酔医の診断など)を決めました。


腫瘍は1つで大変だけどそれを摘出すればよいと考えていたのですが、この診断で腫瘍は2つあり、それらがつながっているという状況を知り、怖くなりました。


「いろいろ諦めなければいけないのかもな…」と病院からの帰り道に一人考えました。


(つづく)







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