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決算短信を読んでみた:ジャパンディスプレイ編


財務諸表の勉強として、5/12に発表されたジャパンディスプレイの決算短信を読みました。


ジャパンディスプレイは、モバイル、車載、ノンモバイル、にセグメントを分けています。モバイルとノンモバイルの売上は減少しましたが、車載の売上は増加しました。しかし車載の売上が増加しても他の売上の減少が大きく、合計で売上は減少です。


ジャパンディスプレイの損益計算書で目を引くのは、粗利益(売上総利益:売上高-売上原価)がマイナスなんですよね。これだといくら販売費や一般管理費を節約しても営業利益はプラスになりません。

当たり前の話ですが、粗利益-販売費-一般管理費が営業利益だからです。

来期はとにかく粗利益をプラスにする必要があるでしょう。在庫を減少(販売数の拡大)させることと、原材料費の上昇に応じた販売価格の値上げがどうしても必要と思いますが、サムスンやシャープや中国企業などの競合会社が強力なので簡単ではなさそうです。


今期の決算では、特別利益として、中国の子会社売却益、債務免除益が計上されていますが、このような特別利益は来期には期待できません。


ジャパンディスプレイは、来期も営業利益がマイナスになると予想しています。

正直な予想ではありますが、このような予想を出されるとジャパンディスプレイに投資している人は頭を抱えてしまいますよね…(>_<)。

今期で10期連続の赤字ですが、11期連続の赤字となることが濃厚です


会社は、eLEAPという有機ELパネルの製造方法に期待しているようです。

来期以降は、このeLEAPの量産とライセンスにより、収益を上げる方針です。


eLEAPの量産化・収益化に成功するのが先か、いちごトラストの支援が尽きるのが先か、というせめぎあいですね。


メモリ事業とディスプレイ事業を営む各社の決算は、苦しいものでした。市況の影響をもろに受けています。

これらの分野で収益を安定化させる天才が現れればノーベル経済学賞ものですね。


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